夜なきうどんと経営
夜なきうどんと経営
売値の決め方に知恵を絞り、経費を最小にするよう努力する例として、私は会社の幹部にしばしば「夜なきうどんの屋台を引く」という話をしました。経営者を育てるためには、極論ではありますが、うどんの屋台を引っ張らせて街角でうどんを売らせるという方法が効果的な実習となるだろうと考えたからです。五万円なら五万円の元手を出して、「しばらく会社に出てこなくてもよろしい。屋台一式を貸すから、一ヵ月後毎晩、東京のどこかでうどんを売ること。この五万円を一ヵ月後、いくらにして持って帰ってくるのかが実績だ」と実地訓練に送り出します。
まず一番に来るのは仕入の問題です。最初にうどん玉を買わなければなりません。製麺所まで買いに行くという方法もあれば、スーパーで売っている生麺を買ってくる方法もあります。固い干し麺を買ってきて、ゆがいて出すことも考えられるでしょう。次はだしでです。いい味を出すためにはだしがポイントとなります。高い鰹節を買ってくる者もいれば、鰹節を削っているところで屑をもらってくる者もいるでしょう。同じ美味しいだしを出すにしても、工夫によって全然違います。原価を安くしていかにいい味を出すかの創意工夫が必要となるのです。
「かまぼこ」「揚げ」「ネギ」にしても、スーパーマーケットに行って買ってくる者もいれば、工場や農家から直接仕入れてくる者もいるでしょう。この様に材料の仕入にしても、色々なやり方があります。そして、肝心なのが売値です。一杯三百円の「夜なきうどん」もあれば、五百円のものもあります。安ければいくらでも売れるでしょうが、利益を得ることはできません。お客さんを満足させて売れるベストの値段を探し出さなければなりません。このようにうどんの屋台ひとつでも、いろんな選択肢があるのです。
一晩に出てくる差はわずかでも、年間にすればものすごい差です。屋台から大きなフランチャイズ・チェーン店に発展させる人もいれば、十何年屋台を引いても何も財産を残せない人もいます。いい商売、悪い商売があるのではなく、それを成功に導けるかどうかなのです。売上を最大にするように正しい値決めができれば、あとは「経費を最小に」を徹底して行っていけば良いのです。企業の会計は、この「売上を最大に、経費を最小に」という経営の原点を経営者が効率よく追求できるようにしたものであり、しかもその成果を明瞭に表現しているものでなければなりません。
これがグランドホームの会計システムを貫く考え方です。この考え方はグランドホームの管理会計システムである「採算制度」において、端的な形で表現されています。
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