監視体制を整える
監視体制を整える
管理本部は、営業部と、建築事業部、双方の信用を保証します。どちらも管理本部で社員の詳しい個人データ、社内での評価を統括し、信頼に足る相手かどうかを見極めていきます。書かれている内容はその善し悪しを問わず、勝手に削除することはできません。データとして残り、一生ついてまわるため、よからぬ事を企てている社員への抑止力になります。
会社が監視体制を整えると、社員は自然と規則を守るようになり、軽はずみな行動はとらなくなります。私が狙った効果はこれです。グランドのスローガン「誠実な人間だけが財を成せる」そのままなのです。信用というのは、一度確立すれば、その後は揺るぎない大きな力となるのです。悪事を働く者には、死んだほうがましだというほどの思いをさせます。
戦略の哲学
正しい事を正確に実行します。戦略は結果を出し目標を達成できなければ絵空事に終わるのです。正しい戦略決定のプロセスは、まず、正しい道を選択し、次に正確にそれを行うというものです。やろうとすることが正しければ、少ない労力で大きな成果を勝ち取ることができますが、もしその内容が間違っていれば、正確に実行すればするほどむしろ滅亡へと近づいてしまいます。ゆえに社長としてまず正しい事をはっきりと見極め、それから正確にそれを進めていかなければならず、この二つは決して逆になってはならないのです。
小さな会社の戦略は生き残ることです。会社は二つの状況においてミスを犯しやすいのです。一つ目はお金がありすぎるとき、二つ目はチャンスがありすぎるときです。社長が見極めるべきなのはチャンスではありません。チャンスはどこにでもあるからです。社長は災難を見極め、小さな芽のうちにそれを摘み取らなければならないのです。商売人の最大の義務は努力して金を儲けること。分譲住宅事業上での失敗は間違いなく私が起こしたものです。頭が熱くなりすぎていたか、あるいは熱さが足りず、冷めすぎていたからだったのです。
まず金を稼ぎ、自分の会社を存続させることができなければ、自分の信念や目標を持ち続けることはできず、すべての理想が砂上の楼閣と化し、単なる空論に終わってしまいます。ポイントを突いて攻めろ。撤退もまたよし。純粋な黄金などないように、完璧な人などいません。誰でも間違うことはあるのです。間違いを犯したとき、間違いに向き合い、迅速にこれを修正し、同じ間違いを二度と犯しません。自分の犯した間違いに対し、いかなる弁解もせず、勇気を持ってそれを認め、正しい解決方法をさがしましょう。企業経営において間違いは避けられませんが、それらの間違いはゴミの山ではなく、貴重な財産です。
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